口頭発表の構築
研究会や演習などで研究発表をする際に、どのようなことに留意したらよいでしょうか。「論文・レポートの書き方」については前に書きました。研究内容を考案する方法は、ほぼこれと同じです。問題は、「口頭発表」という形式としてしつらえる場合です。
1)発表原稿を作成する
なぁんだ、そんなの当たり前じゃないか、と思われるかも知れませんが、あにはからんや、発表原稿を作らない発表者は、意外と多いのです。もちろん、作らなくても喋れる、というのは、一つの能力であるに違いありません。しかし、発表原稿のない発表が、多くの場合、何らかの問題を抱えることもまた事実です。
最大の問題は、前のエントリに関わること、すなわち「発表時間の厳守」ができないことが多いということです。原稿なしに話すと、どうしても長くなるのですね。発表原稿を作っておくと、とりあえずは発表時間の見当がつきます。また、発表中に、あとどれくらいで最後まで行くか、もっと速めるか、途中を省略するか、などをきちんと配慮して、発表時間内に収めることができるようになります。
私はたいがい、「1枚(400字)1分」の計算で原稿を作ります。これは、通常であればかなり速いスピードなのですが、言葉遣いに注意して、むやみに難しい用語などを使わなければ大丈夫のようです。もちろんこれは人によって違いますから、自分のペースでよいのです。なお、私は「です・ます体」で原稿を書くことにしています。本番でつっかからないようにですね。
あと、発表原稿を書くことの効能は、当然、内容の精緻化・論理化ということがあるのは言うまでもありません。
2)資料をきちんと作る
これも言うまでもありませんね。耳から入る情報もですが、目に見える資料は、とにかく注目されるものです。資料のスタイルにも決まりはありませんが、できるだけ丁寧に作り、間違いがないかよく確認するとよいでしょう。
ところで、口頭発表の際に資料をどの程度の分量にするか、またどれくらい読むかはよく考えなければなりません。私は読まないことが多いです。重要な部分は発表原稿に引用して、その引用を含む部分の資料全体は読まないことにしています。もちろん、逆に資料のテキストをきちんと読んで、それに対してコメントすることが効果的な場合もあるでしょう。いちがいには言えません。
最近の研究方法では、膨大な資料に、現物のコピーや、年表・年譜などをたくさん盛り込む人が多いようです。これも、研究方法の問題であって、必ずしも多ければよいというわけではありません。(少ない方がいいということでもありません。)発表内容に見合った分量ということですね。
それから、発表原稿そのものを資料に搭載する人もいます。これも決まりはありませんが、メリットとしては、内容に関して誤解の余地がなくなること、資料として持ち帰り復習できること、デメリットとしては、どうしても資料の分量が多くなること、そして、配付するなら口頭発表は必要なくなるじゃないか、ということ、言い換えれば、口頭発表というパフォーマンスの比重が下がってしまうことでしょうか。私はこれは一度もやったことがありませんね。「喋ること」をも重視したいと思うからです。でも、場合に応じて、自分のスタイルを構想すればよろしいでしょう。内容の要約を挿入したり、部分的に載せたりすることもあります。
3)修辞学を使おう!
要するに、口頭発表はパフォーマンスなのだということです。研究発表、シンポジウムの報告、そして講演など、発表の種類に応じてもかなり違ってきますが、いわば内容だけの発表は、なかなか聴衆の心をとらえないものです。研究発表は、あくまでも内容重視でよいと思いますが、それでも、言葉遣いに配慮して、比喩や言い回し、強調や間(ま)の取り方などを整えると、アピールの効果はかなり高くなります。
そう、いわゆる冗談もですね。しかし、研究発表では、まぁほとんど冗談は交えなくてもよいでしょう。聴衆を笑わせようとばかりするのは、研究発表では顰蹙ものです。しかし、シンポジウムや講演などでは、いっさい冗談のないお話というのもまた、聴く側はつらいものです。これも、その場の雰囲気と発表内容に応じて、案配すればよいでしょうね。
口頭発表で注意すべきことは、ほかにもあります。また追って書きます。
1)発表原稿を作成する
なぁんだ、そんなの当たり前じゃないか、と思われるかも知れませんが、あにはからんや、発表原稿を作らない発表者は、意外と多いのです。もちろん、作らなくても喋れる、というのは、一つの能力であるに違いありません。しかし、発表原稿のない発表が、多くの場合、何らかの問題を抱えることもまた事実です。
最大の問題は、前のエントリに関わること、すなわち「発表時間の厳守」ができないことが多いということです。原稿なしに話すと、どうしても長くなるのですね。発表原稿を作っておくと、とりあえずは発表時間の見当がつきます。また、発表中に、あとどれくらいで最後まで行くか、もっと速めるか、途中を省略するか、などをきちんと配慮して、発表時間内に収めることができるようになります。
私はたいがい、「1枚(400字)1分」の計算で原稿を作ります。これは、通常であればかなり速いスピードなのですが、言葉遣いに注意して、むやみに難しい用語などを使わなければ大丈夫のようです。もちろんこれは人によって違いますから、自分のペースでよいのです。なお、私は「です・ます体」で原稿を書くことにしています。本番でつっかからないようにですね。
あと、発表原稿を書くことの効能は、当然、内容の精緻化・論理化ということがあるのは言うまでもありません。
2)資料をきちんと作る
これも言うまでもありませんね。耳から入る情報もですが、目に見える資料は、とにかく注目されるものです。資料のスタイルにも決まりはありませんが、できるだけ丁寧に作り、間違いがないかよく確認するとよいでしょう。
ところで、口頭発表の際に資料をどの程度の分量にするか、またどれくらい読むかはよく考えなければなりません。私は読まないことが多いです。重要な部分は発表原稿に引用して、その引用を含む部分の資料全体は読まないことにしています。もちろん、逆に資料のテキストをきちんと読んで、それに対してコメントすることが効果的な場合もあるでしょう。いちがいには言えません。
最近の研究方法では、膨大な資料に、現物のコピーや、年表・年譜などをたくさん盛り込む人が多いようです。これも、研究方法の問題であって、必ずしも多ければよいというわけではありません。(少ない方がいいということでもありません。)発表内容に見合った分量ということですね。
それから、発表原稿そのものを資料に搭載する人もいます。これも決まりはありませんが、メリットとしては、内容に関して誤解の余地がなくなること、資料として持ち帰り復習できること、デメリットとしては、どうしても資料の分量が多くなること、そして、配付するなら口頭発表は必要なくなるじゃないか、ということ、言い換えれば、口頭発表というパフォーマンスの比重が下がってしまうことでしょうか。私はこれは一度もやったことがありませんね。「喋ること」をも重視したいと思うからです。でも、場合に応じて、自分のスタイルを構想すればよろしいでしょう。内容の要約を挿入したり、部分的に載せたりすることもあります。
3)修辞学を使おう!
要するに、口頭発表はパフォーマンスなのだということです。研究発表、シンポジウムの報告、そして講演など、発表の種類に応じてもかなり違ってきますが、いわば内容だけの発表は、なかなか聴衆の心をとらえないものです。研究発表は、あくまでも内容重視でよいと思いますが、それでも、言葉遣いに配慮して、比喩や言い回し、強調や間(ま)の取り方などを整えると、アピールの効果はかなり高くなります。
そう、いわゆる冗談もですね。しかし、研究発表では、まぁほとんど冗談は交えなくてもよいでしょう。聴衆を笑わせようとばかりするのは、研究発表では顰蹙ものです。しかし、シンポジウムや講演などでは、いっさい冗談のないお話というのもまた、聴く側はつらいものです。これも、その場の雰囲気と発表内容に応じて、案配すればよいでしょうね。
口頭発表で注意すべきことは、ほかにもあります。また追って書きます。