Project M Annex

日本近代文学・比較文学・表象文化論の授業や研究について、学生や一般の方の質問を受けつけ、情報を発信します。皆様からの自由な投稿を歓迎いたします。(旧ブログからの移転に伴い、ブログ内へのリンクが無効になっている場合があります。)

2006-10-01から1ヶ月間の記事一覧

コノテーション2

フリッツ・ラング監督の『M』の冒頭で、変質者に娘が誘拐されるシークェンスがあります。娘がボールで遊びながら道路を歩いていて、男に声をかけられ、盲目の風船売りから人形型の風船を買ってもらう。家では母が、帰りの遅い娘を待ちながら、夕飯の支度をし…

コノテーション1

ロラン・バルトは、記号の一般形態をERCと書きました。E(表現)とC(内容)とのR(関係)が記号を形作る、というものです。基礎はソシュール流の2項対立図式ですが、2つの点で優れた表記法です。すなわち、1つは、括弧を用いた表記法によって、コノテーショ…

無限の解釈項

2項対立の図式によるソシュールの記号学とは異なり、チャールズ・サンダース・パースの記号学は、表象・対象・解釈項の3項対によって記号を理解します。これをパースは、第一次性・第二次性・第三次性として一般化し、第一次性についての第一次的記号、第一…