2006-07-01から1ヶ月間の記事一覧
『修辞的モダニズム テクスト様式論の試み』注の一部に脱落がみつかりました。著者献本分、および、2006年5月27日~6月24日出荷分の本です。現在は修正したものを出荷しています。 注が脱落した本をお持ちの方は、版元のひつじ書房までご連絡をいただければ…
小野田寛郎少尉が、戦後30年間、フィリピン・ルバング島にとどまって戦闘を継続したのは、彼が陸軍中野学校二俣分校を出た、「秘密戦」、つまり諜報やゲリラを任務とする軍人であったことが深く関係したようです。終戦を知らず密林にこもった彼は、航空機が…
その支配から脱する方法は、断片化された情報を、「なぜ?」の問い直しによって因果関係を遡り、コンテクストに置き直すことです。その結果は言うまでもなく、みの・テロ警戒・小泉・ブッシュ・北朝鮮などについてメディアの伝えることに、一律、Noと答える…
結論として、「我、疑うゆえに我有り」という態度で、メディアに接することが必要です。疑っている我を疑うことはできません。だからこそ、小野田さんは、自分の理論に徹底的に即して、情報を分析したのです。彼が結局、日本軍国主義というイデオロギーに心…
陳腐・通俗・下級の代名詞のように用いられていたメロドラマという言葉に、ジャンルとして初めて明確な位置づけを与えたのは、加藤幹郎の重要な業績です。『映画のメロドラマ的想像力』には、メロドラマは「過剰なる感情のための過剰なる形式」であり、観客…
現代の文芸・文化批評において、世代論は、《似たような表現・発想・思想を共有する人たち》を問題とする、というほどの意味で用いられます。世代に関する語彙は、「70年代」「90年代」などの時代や、「団塊の世代」「全共闘世代」などの歴史的用語となった…
マンガ版『風の谷のナウシカ』で、僧会のマッド・サイエンティストらによって培養された粘菌は、ナウシカの手で解放され、地表を覆い尽くして荒廃させます。反面、腐海は多層に分かれていて、土壌の毒を浄化し、砂と水に還元するロボットであることが明らか…
近未来SF映画は、テクノロジーと人間との関わりを描き、それによって文明の未来を批判的・懐疑的に考察します。そのようなトピックを鮮明に呈示する表現として、人体と異物(機械・装置)との癒合(merging)が挙げられます。例えば、デイヴィッド・クロー…
「文庫本一冊で論文を書く」という言い回しがあります。小説なら小説1作品だけを徹底的に読み込んで、それに対して自分の持っている理論のフレームだけを適用して論じる、という意味です。概ね、〝安直な論文の書き方〟として否定的に見られる論法なのですが…
【授業の補足】 起承転結―再び(論文・レポートの書き方5) 掲示板への投稿(ネット・エチケット2) 色っぽい文章(言葉に付加価値を!2) 言葉に付加価値を! 詩を読む2 アクロバット(論文・レポートの書き方4) [重要]ファイル・バックアップ 言葉…
【術語集】 ストゥディウム/プンクトゥム 定型(物語5) 暗闇の中における跳躍2 小説(ジャンル)2 近未来SF(ジャンル) 近代・ポスト近代 暗黒の中における跳躍 モンタージュ テクスト分析(物語4) 神話批評(物語3) 法=差別(物語2) 物語(疑…
中学入試用に買った国語参考書の巻末に、「雨ニモ負ケズ」が収められていました。私はその頃、それを全文暗唱できました。でも、私の知っている宮澤賢治の詩はそれだけでした。 小学校の夏休みの副読本に、「宮澤賢治の愛」のような挿話が載っていました。郷…