Project M Annex

日本近代文学・比較文学・表象文化論の授業や研究について、学生や一般の方の質問を受けつけ、情報を発信します。皆様からの自由な投稿を歓迎いたします。(旧ブログからの移転に伴い、ブログ内へのリンクが無効になっている場合があります。)

時局集

心脳コントルバング社会(1)

小野田寛郎少尉が、戦後30年間、フィリピン・ルバング島にとどまって戦闘を継続したのは、彼が陸軍中野学校二俣分校を出た、「秘密戦」、つまり諜報やゲリラを任務とする軍人であったことが深く関係したようです。終戦を知らず密林にこもった彼は、航空機が…

心脳コントルバング社会(2)

その支配から脱する方法は、断片化された情報を、「なぜ?」の問い直しによって因果関係を遡り、コンテクストに置き直すことです。その結果は言うまでもなく、みの・テロ警戒・小泉・ブッシュ・北朝鮮などについてメディアの伝えることに、一律、Noと答える…

心脳コントルバング社会(3)

結論として、「我、疑うゆえに我有り」という態度で、メディアに接することが必要です。疑っている我を疑うことはできません。だからこそ、小野田さんは、自分の理論に徹底的に即して、情報を分析したのです。彼が結局、日本軍国主義というイデオロギーに心…

学ぶこと、教えること

私は現在、日本文学などの研究・教育と、FD(授業改善)や大学間連携などの行政・実務の二つを仕事の柱にしているのですが、不思議なことに(?)、その二つが矛盾すると感じたことは一度もありません。文学や表象の研究・教育とは、分からないことを分か…

冷たいメディア

数百万にも上るといわれるブログ。ブログ現象には、人と文化を考えるヒントが散らばっています。 元々、ホームページは冷たいメディアです。電子媒体による匿名性を基本とするホームページは、情報をファイル化して、相互に等価なものへと変換します。直接的…

ゆうキャンパス単位互換

ゆうキャンパスの仕事をしています。ここしばらく、06年3月から始まる大学間の単位互換の準備で忙しいです。 去る05年12月に、コンソーシアムの全国フォーラム(金沢大学にて)で高大連携の発表をした際、枕の部分で「日本近代文学の学会には千数百人の会員…

お涙ちょうだいもの

お涙ちょうだいもののようなドラマや物語の流行についての、新聞記事を読みました。「愛と死をみつめて」風の感動ものが、いかに多いことか。でもこれは今に始まったことではありません。物語と人との関係の中で、歴史的に繰り返されてきたことです。 受容者…