Project M Annex

日本近代文学・比較文学・表象文化論の授業や研究について、学生や一般の方の質問を受けつけ、情報を発信します。皆様からの自由な投稿を歓迎いたします。(旧ブログからの移転に伴い、ブログ内へのリンクが無効になっている場合があります。)

ゆうキャンパス単位互換

 ゆうキャンパスの仕事をしています。ここしばらく、06年3月から始まる大学間の単位互換の準備で忙しいです。

 去る05年12月に、コンソーシアムの全国フォーラム(金沢大学にて)で高大連携の発表をした際、枕の部分で「日本近代文学の学会には千数百人の会員がいるが、大学連携・教育改善の仕事をしている人は全国でも3人くらいしかいない。仲間から、何でそんな仕事してるの?とよく聞かれる。そういうとき、コンソーシアムの仕事と文学とは、深いところで繋がっているのだと言うことにしている。でも、ほんとうのところは、自分でもよく分かっていない」と話しました。そうですね、ほんとうのところは、複数の要因から成っていますね。例えばその一つとして……

 大学のたくさんある都市であれば、学生の交流も盛んで、別の大学の専攻のゼミに顔を出させてもらうなどということも珍しくありません。研究者同士の交流、研究会活動はもっと活発です。文学なら文学でも、他大学の先生ならこんなに違うのか、と学問内容を相対化し、増幅させながら学ぶことができるのです。地方ではなかなかそうはいきません。YUでは、日本近代文学専攻の教員は私ただ一人です。学問としての文学の重要な要素はコミュニケーションですから、確かに連携と通底しています。

 単位互換制度は、学生側から見れば学ぶ可能性を広げ、教員側から見れば自分のあり方を相対化する、またとない方法です。他大学に行ってごらんなさい、施設からシステムから学生の雰囲気から、何もかも皆違いますから。TUADで非常勤をしていた時には、芸術系大学らしく個性豊かな学生たちのファッションに目を奪われました。もっとも、単位互換といっても、交通事情は悪く、制度が軌道に乗るには時間がかかり、またeラーニングもまだまだ初歩の段階ですから、急に何かが変わるというわけではないですけどね。大学間連携は貴重です。もはや、御山の大将の時代ではありません。