Project M Annex

日本近代文学・比較文学・表象文化論の授業や研究について、学生や一般の方の質問を受けつけ、情報を発信します。皆様からの自由な投稿を歓迎いたします。(旧ブログからの移転に伴い、ブログ内へのリンクが無効になっている場合があります。)

初心忘るべからず

 私は車の運転をこよなく愛する者ですが、街を走っている車が、原則を守らないのには、常々驚かされます。ウィンカーを出さずに曲がる、曲がり始めてから出す(!)、一時停止線を守らない、交差点の角で堂々と駐車する、両側同位置に駐車する、制限速度を守っている車を脅かす、横断歩行者がいても停止しない……。交通事故死者は減っているようですが、それでも年に8千人内外の人が、まことに不条理な亡くなり方をしていることを、運転する者は肝に銘じるべきです。もちろん私も。(私は教習所の副読本が面白くて、今でも愛読しています。説明してくれるおねえさんのイラストが可愛いし。)

 さて、おねえさんはどうでもいいとして、このサイトは公開しているので、どなたでも読み、投稿してくださることを歓迎しますが、一応、ターゲットとして想定している読者の水準は、大学1~2年生程度で、教養教育で文学や表象文化、比較文学を学び、あるいは専門教育でそれらに進もうとしている人たちです。そしてまた、初学者はセオリー通りに、というのがこのサイトのモットーです。世の中には専門的な、あるいは趣味的なブログなるものが星の数ほどもあるので、このサイトはそういうのを見慣れた人からすれば、相当に物足りないものと思います。

 私には端(はな)からそんなものを書く能力はない、というのが最大の理由ですが、私が基本に徹しようとしているのは、基本は何も初学者だけでなく、どんなレヴェルでも有効なのだ、という信念からです。車の運転はもとより、スキーでも水泳でもそうですし、英語でもそうですよ。口をついて出てくる中・高時代に覚えた言い回し、たとえば"I'll ask you to tell~"なんて、いくらこなれないように思われても、立派に通じますからね。

 初心忘るべからず。ただ、難しいことでもありますね。初心を忘れないことを忘れないようにすることこそ、若い人が、くだらない年寄りにならない最高の秘訣だろうと痛感します。歩行者の妨げになるほど、停止線から大きく鼻先出して止まっている車を見たら、蹴っ飛ばしてやりたくなるのは私だけでしょうか。