Project M Annex

日本近代文学・比較文学・表象文化論の授業や研究について、学生や一般の方の質問を受けつけ、情報を発信します。皆様からの自由な投稿を歓迎いたします。(旧ブログからの移転に伴い、ブログ内へのリンクが無効になっている場合があります。)

心脳コントルバング社会(2)

 その支配から脱する方法は、断片化された情報を、「なぜ?」の問い直しによって因果関係を遡り、コンテクストに置き直すことです。その結果は言うまでもなく、みの・テロ警戒・小泉・ブッシュ・北朝鮮などについてメディアの伝えることに、一律、Noと答えることにほかなりません。メディアのメッセージに正しいことなど、何もないのです。これは、小野田さんの方法と寸分も違いません。彼は二俣分校で叩き込まれた秘密戦士としての教養に基づいてそうしたのですが、現在では、この10年間、国立大では一般教養は抹殺され、唯一、リベラル・アーツを守った、わが東京大学教養学部」だけが、そのような正しい教養を身につける場所なのです。

 本当はどの大学でも一般教養は抹殺などされておらず、それどころか全く逆で、多くの大学で教育の看板として拡充され、北海道大学「進化するコア・カリキュラム」、弘前大学「21世紀教育」その他、幾多の教養教育改革が進行中であり、「地域ネットワークFD樹氷」のように、教養教育改革のコンソーシアムまで存在し、各種実践が執拗に行われていることなど無視し、それ以前に、国際基督教大学教養学部」の「責任ある地球市民を育むリベラル・アーツ」をはじめ、上智桜美林など、私立大の努力などは一切、歯牙にも掛けないのですが、いずれにしても、わが東京大学、つまり自分だけが正しいのですから、それらの取り組みなどはどうでもよいのです。